日本の雇用環境
高等教育機関を卒業した学生の就職環境については、過去10年間は就職を希望する学生の90%以上が就職しており、日本は海外と比べ非常に安定した雇用環境であると言えます。また、日本では、高等教育機関を卒業した後、初めにもらう月額の給与は大学卒で平均200,000円〜250,000円程度であり、大企業と中小企業等の企業の規模に関係なく格差がないという海外と比べても珍しい文化もあります。
❶日本の雇用環境
下右のグラフは、日本人の大学等(大学・短期大学・高等専門学校)の卒業者の就職率の推移を表したデータになります。この就職率は、卒業後就職を希望した日本人学生の就職率となります。日本の新卒採用市場における雇用は安定しており、過去10年間9割を下回ったことがなく、安定した雇用環境となります。2021年度は96.3%とコロナウイルス感染症の影響をほぼ受けず100%に近い学生が卒業後に企業に就職しています。
厚生労働省「大学等卒業者の就職状況調査」
❷初任給
初任給とは、大学や大学院を卒業した後、はじめにもらう企業からの月額の給与のことです。下右の表は、日本での初任給の平均値です。大学卒で約20万円、大学院卒(修士卒)は約23万円が平均的な初任給となります。事務系は文系の職種、技術系は理系の職種です。
人事院「職種別民間給与実態調査結果」(2019年)
❸年齢別の平均給与
年齢別の平均年間給与についてのグラフになります。それぞれ年代別に年間どれくらいの給与をもらえるかの平均値が記載されています。男性の年収は、50から54歳が677万円とピークとなり、それ以降は少しずつ下がっていきます。女性は、25から29歳から横ばいになっていますが、これは結婚や出産などによりフルタイムでの勤務ではなく、時間を制限して働く方が増えているからです。
国税庁「2019年分民間給与実態統計調査」