日本留学5つのステップ
5 steps to study in Japan
Step❶
日本の教育システムを理解する
日本留学で初めに考えるべきことは、何を目的に留学するかということです。留学の目的は「学位取得を目的とした留学」、「学習体験等を目的とした留学」、「日本語学習を目的とした留学」の3つに分類できます。留学の目的により留学する期間や留学のための条件が変わります。日本の教育システムを理解し、留学の種類を把握することで自分に合った留学先を考えましょう。
日本の教育システム
日本の高等教育は、初等教育（小学校6年間）及び中等教育（中学校3年間、高等学校3年間）の12年間を修了してから始まります。留学生が入学可能な高等教育機関としては、大学院、大学、短期大学、専修学校（専門課程）、高等専門学校の5つがあり、国立・公立・私立に大別されます。
❶高等教育機関の学校数
日本の高等教育は、全国に4,597機関あります。日本国が運営のための資金を拠出している「国立」と都道府県や市町村などの地方公共団体が運営の資金を拠出している「公立」と民間の経営者が運営を行っている「私立」の3種類があります。大学（学部）は795校、大学院は、643校、短期大学は323校、専修学校は2,779校、高等専門学校は57校となっています。
2020文部科学省「学校基本調査」
❷留学生の高等教育機関在籍状況（2020年）
留学生はどこの教育機関に在籍しているかをまとめたグラフです。大学（学部）が一番多く、約8万人、次に多いのが、専修学校（専門課程）で約8万人、大学院が約5.3万人となっています。短期大学や高等専門学校はさほど多くないのが現状です。
（独）日本学生支援機構
「2020年度外国人留学生在籍状況調査結果」
❸学位取得を目的とした留学
日本の高等教育機関は、5種類あります。学位を取得するために留学する人は、自分が希望する学位を取得できる教育機関を選ぶ必要があります。教育機関の種類により、修業年数が変わるので注意しましょう。
大学（学部）又は短期大学へ入学するためには、以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。
- 1.
- 外国において、正規の学校教育における12年の課程を修了した人
- 2.
- 外国において、高等学校に対応する学校の課程（12年未満）を修了後、文部科学省が指定した「大学に入学するための準備教育を行う課程」を修了した人
- 3.
- 外国の大学入学資格である国際バカロレア、アビトゥア、バカロレア、GCE Aレベルを保有する人
- 4.
- 外国における、12年の課程修了相当の学力認定試験に合格した18歳以上の人
- 5.
- 外国において、指定された11年以上の課程を修了したとされるものであること等の要件を満たす文部科学大臣指定の学校の課程を修了した人
- 6.
- 日本において、外国の高等学校相当として指定した外国人学校を修了した人
- 7.
- 高等学校と同等と認定された在外教育施設の課程を修了した人
- 8.
- 国際的な評価団体（WASC、CIS（ECIS)、ACSI）の認定を受けた教育施設の12年の課程を修了した人
- 9.
- 高等学校卒業程度認定試験に合格した18歳以上の人
- 10.
- 特別支援学校の高等部又は高等専門学校の3年次を修了した人
- 11.
- 指定された専修学校の高等課程を修了した人
- 12.
- 旧制学校等を修了した人
- 13.
- 大学において個別の入学資格審査により認めた18歳以上の人
※修了した課程が正規の学校教育であるか、何年目の課程であるかは、日本国大使館等へお問い合わせください。
※12年未満の課程の場合、かつ外国において、指定された課程を修了していない場合は、さらに指定された準備教育課程または研修施設の課程等を修了することが必要となる場合があります。
修士課程・博士課程（前期）へ入学するためには、以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。
- 1.
- 大学を卒業した人
- 2.
- 外国において、学校教育における16年の課程を修了した人
- ※医学、歯学、薬学または獣医学を履修する博士課程への入学については18年
- 3.
- 外国の大学等において、修業年限が3年以上の課程を修了することにより、学士の学位に相当する学位を授与された人
- ※医学、歯学、薬学または獣医学を履修する博士課程への入学については5年
- 4.
- 大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与された人
- 5.
- 外国の学校が行う通信教育を日本において履修する事により、該当国の16年の課程を修了した人
- ※医学、歯学、薬学または獣医学を履修する博士課程への入学については18年
- 6.
- 日本において、外国の大学相当として文部科学大臣が指定した外国の学校の課程を修了した人
- 7.
- 文部科学大臣が指定した専修学校の専門課程を修了した人
- 8.
- 旧制学校等を修了した人
- 9.
- 防衛大学校、海上保安大学校、気象大学校など、各省大学校を修了した人
- 10.
- 大学院に於いて個別の入学資格審査により認められた22歳以上の人
英語で学位を取得するプログラム
日本の大学のグローバル化に伴い、大学や大学院では、日本語学習が障壁とならない英語による授業のみで学位を取得できるプログラムも増えています。
英語で学位取得が可能なプログラム検索：（独）日本学生支援機
https://www.studyinjapan.go.jp/ja/planning/search-school/daigakukensaku/
❹学習体験等を目的とした留学
学位取得を目的とせず、他国・地域の大学等における学習、異文化体験、語学の習得などを目的として、概ね1学年以内の1学期間又は複数学期、教育を受けて単位を修得し、または研究指導を受けるプログラムです。（日本語教育機関は高等教育機関ではないので単位取得はできません）
短期プログラム検索：（独）日本学生支援機
https://www.studyinjapan.go.jp/ja/planning/search-school/daigakukensaku/
❺日本語学習を目的とした留学
日本語を初歩から学習することのできる機関として日本語学校があります。日本語のみを学ぶことを目的とするコースと専門学校・大学等への進学を目的とするコース、ビジネス日本語を学習して就職するコース等があります。同じ日本語学校の中に複数のコースがありますので、日本語学校を選ぶだけではなく、目的にあったコースを選択しましょう。また、入学資格については、選択する学校やコースにより変わりますので各学校に確認するようにしましょう。尚、日本語学校を卒業しても学位は取得できません。
